【第2回】過剰の活性酸素(酸化ストレス)
掲載日:2016.12.20
健康の話をすると【活性酸素】【抗酸化】という言葉を良く見かけます。
この2つの単語は何を意味しているのでしょう。
酸素の最も身近な化学反応として、他の物質を酸化するというのがあります。鉄が錆びたり、モノか燃えたりする反応、それが酸化反応です。酸化とは、酸化される物質が電子を失うことです(実はこの時、酸素は電子をもらって還元されています。)。
この酸化反応は、酸素分子(O2)の状態では比較的安定しているので、何らかのエネルギーもしくは触媒がなければ、起こりません。しかし、酸素が他の物質を非常に強く酸化する能力を持つことがあります。その状態を「活性化している」と言い、そのような状態の酸素を活性酸素と呼んでいます。
ところで、私たち人間の体では、呼吸を通して体の中に入った酸素は、食物からとったブドウ糖を細胞の中でエネルギーに変える化学反応に使われます。エネルギーなしに活動できませんから、常に私たちは酸素を必要とします。
エネルギーを作るのに必須の酸素ですが、体の中で2%程度が活性酸素に変わり、周りの物質を酸化する化学反応を起します。
活性化という言葉から体によいイメージを思い浮かべた方もいらっしゃると思います。実際に、活性酸素は、生体内で様々な重要な働きを果たしています。例えば体内に入ってきた細菌などを酸化させ、無害化したりします。活性酸素は必要なものではあるのです。
しかし、この活性酸素が必要以上に生体内で産出された場合は、周囲の細胞やそれを構成する物質に、酸化反応(電子の引き抜き)を起こします。

活性酸素に酸化された(電子を奪われた)細胞や物質は、また自身が安定するために他の細胞や物質を酸化する(電子を奪う)という連鎖的な反応を繰り返します。
その結果、①遺伝子を形成するDNAが酸化されることで、遺伝子の変異が起こり、本来の働きができなくなった異常細胞をつくりだし、②細胞膜に含まれる不飽和脂肪酸を酸化させ、酸化脂質をつくり、細胞や組織に炎症を起こして破壊したり、老廃物の蓄積が起こります。
困りますね。長くて難しい説明をしてまいりましたが、要するに必要以上に体の中に活性酸素が存在すると、健康に害になる訳です。この過剰な活性酸素が存在する状態を「酸化ストレス」ともいいます。酸化ストレスが上記のような化学反応を起こした結果、皮膚のしわ、老化の促進、白内障、関節炎、認知症、動脈硬化、糖尿病などとなって現れます。もちろんこれらの現象には、遺伝的要因も影響していますが、酸化ストレスは非常に強く関係しています。したがって、活性酸素の発生原因を知り、生体内に起こる過剰な酸化反応を抑制、消去する(抗酸化)作用を促す、つまり酸化ストレスに体をさらさないようにすることが健康維持には大切です。

