理事長挨拶

核酸・核タンパクの研究を開始して30年、遺伝子栄養学の言葉と概念を提唱して20年以上になります。
私たちは健康長寿社会の実践を目指して研究活動を行っているNPO法人であり、老化を防ぎ健康を維持するためには遺伝性素因を考慮した栄養学、即ち遺伝子栄養学が重要であることを世の中に普及することを目的にした法人です。
2011年の第14回日本病態栄養学会では、私が特別講演の演者として招聘され、核酸を中心とした栄養成分の働きがどのようにヒト遺伝子に影響するか、さらには核酸により生体分子の歪みがどのように整うかなどの具体的研究成果をもとに発表しました。
これからも遺伝子栄養学の研究と社会的貢献を目指して活躍していく所存でありますので、皆さまのご支援、よろしくお願い致します。

理事長 松永 政司

遺伝子栄養学とは

栄養と遺伝子、ライフスタイルと遺伝子など遺伝子の働きを解明して、
健康に役立てる学問

遺伝子栄養学とは、特に健康に大きな影響を与える食の観点から遺伝子レベルで健康を考え、実践する学問であり、予防医学の中核をなすものです。遺伝子と栄養、また遺伝子とライフスタイルとの関係を知り、これを実践することでホメオスタシス(生命の恒常性維持機能)を回復させたり高めたりすることが可能です。
分子栄養学の急速な進歩により、ヒトゲノムの解明がされました。その結果、食と健康の関係も遺伝子レベルで明らかにされつつあります。食が遺伝子全体にどのような影響を与えるか(ニュートリゲノミクス)、食で個々の遺伝的体質をどのように補完していくか(ニュートリジェネティクス)を調べる手法が発展したためです。
遺伝子栄養学では、このような先端研究手法を用い、食品やライフスタイルが遺伝子へ与える影響を調べ、その働きや仕組みを理解します。また遺伝子の個性を知ることで、栄養や生活習慣を見直し、現在の健康状態の改善や老化の予防を図ります。この考え方を取り入れることで、個々の体質にあった、自分らしい食・ライフスタイルが見えてくることでしょう。

遺伝子栄養学研究所の目的

遺伝子栄養学の確立・発展、そして普及

超高齢化が進む日本では、病気の発症を予防する方法や健康の回復・生活の質を高める手法を具体化し、啓蒙促進していくことが重要な課題です。遺伝子栄養学研究所では、栄養と遺伝子、ライフスタイルと遺伝子の関係を解明し、その研究で培った成果を具体化し一般に普及していくことを目的としています。

遺伝子栄養学研究所の主な活動

健康維持のための各種機能性を有する食品の研究開発

遺伝子栄養学の見地から、核酸を主とした食品の機能性の研究を行っています。

食品の安全性の評価

食品の安全性を評価する試験を行っています。

健康の保持・増進につながる食品以外の介入方法の研究開発

音楽や芸術、芳香、笑いなどがヒトの健康に与える影響についての研究を行っています。

啓蒙・普及活動

上記の研究を発展、啓蒙するために、一般向け市民公開講座やサイエンス・カフェ等を開催しています。

学術研究会の開催

研究者同士の研究成果の共有のため、研究会を開催しています。

研究所概要

正式名称 特定非営利活動法人 遺伝子栄養学研究所
設立 平成16年8月1日
所在地 北海道恵庭市恵み野北3-1-3